「ベッドサイドストーリー」後編 2022年8月

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ボイスドラマの内容

  • 男性(16-61歳)・・・高校1年生のときに知り合った彼女にプロポーズして結ばれる
  • 女性(15-60歳)・・・中学3年生のときに彼と知り合いさまざまな出会いの中で彼を選ぶ

Story〜「ベッドサイドストーリー/彼-30歳:彼女-29歳」

彼:「遅くなって、ごめん!」
彼女:彼が息を切らしながら、待合せのカフェへ走り込んでくる。
「話したいことがあるって、自分から言っておきながら遅刻するなんて、どういうこと?」
彼:「ホントにごめん!」
彼:「今日、一緒に行ってほしいところがあるんだ」
彼女:「どこ?」
彼:「行けばわかるって」
彼女:「もう〜、もったいぶらずに教えてよ・・・」
彼:「ここ」
彼女:「あ・・・」

そこは、私たちが初めて出会った、インテリアのイベントだった。
彼は私の手をとり、奥へと進んでいく。
ずらりと並んだベッドの前で彼は私の方へ向き直った。
彼:「僕たち、付き合いはじめてからそろそろ6年だろ」
「最初に出会ってからはもう14年」
「僕たちのベッドも同い年」
「だから新しいベッドを買わない?」
彼女:「なにそれ?一緒に住もうってこと?」
彼:「まあ、そういうことでもあるんだけど・・・」
彼女:そう言いながら、彼はスーツの胸ポケットから小さなケースを取り出した。
彼:「いつか言おうと思いながら、こんなに時間が経ってごめん」
彼女:そして、彼は私の指に指輪をはめた。スタッフの喝采。
私にとっては眩しすぎるほどの煌めき。
でも、彼の笑顔はそれよりもっと輝いていた。

Story〜「ベッドサイドストーリー/彼-35歳:彼女-34歳」

彼女:プロポーズの日に購入したベッドは、この夏で5年目。
私たちのベッドの横に並んでいるのは、小さなベビーベッド。
こちらはその持ち主と同じくまだ1年目で初々しい。
彼:「シングルベッドの間にベビーベッドを置くのって、いいアイデアだろ?」
彼女:「まあまあね(笑)」
彼:「この子が大きくなったら、またあのインテリアのイベントに行かないとな」
彼女:ベビーベッドの中で微睡む小さな宝物を見守る彼の手には
あのインテリアのイベントタイトルが見え隠れしていた。

Story〜「ベッドサイドストーリー/彼-61歳:彼女-60歳」

彼:「ベッドって長持ちするもんだな」
彼女:コイルスプリングのベッドに腰を下ろした夫が呟く。
ベッドより私たちのほうこそ、長持ちしているんじゃないかしら。
彼:「なあ、そろそろ新しいベッドを考えてみないか」
彼女:「あのインテリアのイベントで?」
彼:「はは、私たちの出会いの場だからな」
彼女:「じゃあもうすぐやってくる初孫のベッドも考えないと」
彼:「あゝ、そうだったな。そっちが先か(笑)」
彼女:「私たちは、電動ベッドにしない?」
彼:「いいね、腰にも優しそうだし(笑)」
彼女:変わらぬ笑顔の優しさに、年輪が刻まれていく。
ベッドも、家族も、未来を紡ぐストーリーは、まだまだ続いていく。
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