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ボイスドラマの内容
登場人物
- 息子(22歳)・・・父・母・姉・祖母と5人で暮らす。今年大学を卒業して社会人1年生となる。就職先は銀行。工学部出身だったため銀行でも情報システム部でベンダーを統括する
- 母(47歳)・・・結婚前は夫と同じ銀行で働き、社内結婚。子供が入学すると同時に退職して専業主婦。現在はフリーのファイナンシャルプランナーとして主婦仲間たちの相談にのっている
Story〜「Happy New Interiors!〜電動ベッド/前編」
SE | (SE〜玄関のチャイム「ピンポン」「お届けものです」) |
息子: | 「あ、きたきた!」 |
母: | 「なぁに?またなんかくだらないモノ買ったの?」 |
息子: | 「ひどいなあ、母さん。新生活の家具一式だよ」 |
母: | 「え?家具?あなた1人で家具屋さん行ったの?いつのまに?」 |
息子: | 「ちょっとちょっと。僕もう今年から社会人だよ。家具くらい自分ひとりで選べるって」 |
母: | 「大丈夫?不安がいっぱいだわ・・・」 |
息子: | 「もう〜、そんなこと言うなら見に来て。僕の部屋まで運んでもらうから」 |
母: | 「はいはい。それにしてもいっぱい買ったのね」 |
息子: | 「プログラマーのバイト代ってすごいんだよ。それもこれも、僕を天才として産んでくれた母さんのおかげかな」 |
母: | 「なに、えらそうに」 |
息子: | 確かに、ボリューム満載の家具たちだった。 だって僕の部屋はいたってシンプルで、ほとんど家具と言えるものは置いてないからなあ。 ベッドもなくって、布団だし。TVはリビングで見るからいらないし。 たま〜に、家に帰ってからPCでプログラムをチェックするけど、作業するのも机なんて呼べるシロモノじゃないし。でも、今日から僕の部屋はスイートルームに変わっていく。 まあ、もともと二間続きの部屋だったから、スイートっていえばスイートかあ。 バイト帰りに何度も何度も家具屋さんに足を運んで、自分にとって最高の家具を選んできたからなあ。自信たっぷりさ。 |
母: | 「ぶつぶつ言ってないで、先に掃除機かけなさい」 |
息子: | 「は〜い」 |
母: | 「それ、ホームワーク用のパソコンデスクに、チェア?」 |
息子: | 「うん、会社はリモートが多いって言ってたからいろんな椅子にすわって疲れないチェアを選んできた」 |
母: | 喜んで掃き出し窓から庭へ出ようとする私に父が声をかける。 |
息子: | 「そうだよ。ちゃんとサステナブルな素材なんだ。SDGsの家具ってわけ」 |
母: | 「ふうん、・・・そっちはなに?」 |
息子: | 「インテリアアートだよ」 |
母: | 「インテリアアート?ふうん、意外な趣味があるのね」 |
息子: | 「まあ、見てくださいって」 |
母: | 「どれどれ?お、なんかキラキラしてるんじゃない」 |
息子: | 「そう。素敵でしょ。名画の上からデコレートしてあるんだ」 |
母: | 「なるほど。ただのレプリカだとちょっとこの部屋には合わないもんね」 |
息子: | 「ヘプバーンの肖像画、かっこよくない?」 |
母: | 「これ、ティファニーで朝食を、の名シーンだわ。パパと見に行ったっけ。ヘプバーン、可愛かったな〜」 |
息子: | 「リモートミーティングの背景にチラっと映ったら、お、こいつ、できるなってなるでしょ」 |
母: | 「ならないわよ。で、最後はベッド?やっと布団暮らしにさよならするのね」 |
息子: | 「これね、ただのベッドじゃないんだ」 |
母: | 「どこが?オシャレだけど場所とらない普通のシングルベッドでしょ」 |
父: | 「見てて」 |
SE | (電動ベッドを動かすモーターの音) |
母: | 「え?あなた、電動ベッドにしたの?」 |
息子: | 「いまね、電動ベッドがすっごくバズってるんだよ」 |
母: | 「腰でも痛めた?」 |
息子: | 「違うよ。この電動ベッドはスマホで操作できるんだ。見てて」 |
母: | 「へえ〜」 |
息子: | 「寝るときも起きるときも、ベッドが僕に合わせてくれるんだベッドから立ち上がるときとか、ベッドに寝転ぶときに床面を少し高くすれば動くのラクでしょ。体への負担だって減らせるんだよ」 |
母: | 「ほお〜」 |
息子: | 「こうしてラクな姿勢にリクライニングすれば、読書するときも動画を見るときも疲れないしね」 |
母: | 「ゲームするときでしょ」 |
息子: | 「おっと」 |
母: | 「動画ったって、アニメだし」 |
息子: | 「アニメはちゃんと確立されたコンテンツだよ」 |
母: | 「そんなこと、あなたに言われなくてもわかってる(笑)」 |
息子: | 「脚が疲れた時は、脚を上げて浮腫み対策もできる」 |
母: | 「すごいのねえ」 |
息子: | 「これがあればソファいらないから部屋のなかはスッキリ」 |
母: | 「あらホント」 |
息子: | 「それに、なんと言ってもすごいのは、寝てるときいびきを感知すると、ベッドの角度を変えてくれること。気道を確保して呼吸しやすくしてくれるんだ」 |
母: | 「そうなんだ〜」 |
息子: | 「この春は、社会人生活のスタートだからね。いろいろこだわりたいじゃん。 そしたら家具屋さんでスリープアドバイザーの人がいてさ。大切なのは睡眠の質をあげること。 枕も自分にピッタリな高さと硬さを選んでもらっちゃった」 |
母: | 「電動ベッドねえ・・・」 |
息子: | 「あれ。母さんも欲しくなった?」 |
母: | 「違うわよ。これ、おばあちゃんにも買ってあげようかな」 |
息子: | 「もう買ったよ」 |
母: | 「え?」 |
BGM | ♪インテリアドリーム |
息子: | 「いま、おばあちゃんの部屋から古いベッドを引き取ってもらってる」 |
母: | 「誰が買ったの?」 |
息子: | 「僕に決まってるじゃん。銀行って給料いいんだから」 |
母: | 「うそ」 |
息子: | 「ホントだよ。それに大学時代のプログラマーのバイト代、結構たまってたんだぜ」 |
母: | 「おばあちゃんに伝えなきゃ」 |
息子: | 「もう伝えてる」 |
母: | 「ええ〜っ!?」 |
息子: | 「腰とか背中とか痛いところを聞いて、マットレスも硬いのと柔らかいのどっちがいいかも聞いた。その上で睡眠アドバイザーに相談したんだ」 |
母: | 「あなたって人は・・・」 |
息子: | 「おばあちゃんの部屋の間取りも測っておいて配置シミュレーションでどうやっておこうかも考えたから」 |
母: | 「まったく・・・」 |
息子: | 「なに、感動した」 |
母: | 「さすが私の息子だわ」(笑) |
息子: | (笑) |